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代理人(99条)と使者の比較問題

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代理と使者の比較

代理人と使者の比較に関する問題です。

基本的な問題ですね。

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(代理行為の要件及び効果)
第九十九条 代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる
2 前項の規定は、第三者が代理人に対してした意思表示について準用する。

代理人と使者の比較に関する基本知識

代理で行為するのは、代理人です

本人が行為できないからこそ代理人を選任したわけですから。

これに対して、

使者で行為するのは、本人です

使者は鉄砲玉と同じです。鉄砲を撃つのは本人です。玉に意思はなく行為もしません。飛んでいくだけ。

ここから全てを導き出せます。

「意思決定は誰がするのか?」

「意思能力&行為能力の要否」

「意思表示の瑕疵(騙されたとか錯誤とか)は誰を基準にするのか?」

など。。

代理人に行為能力は要らない

ただ、一点、特殊なところがあります。こういうところを問われますよね。

それは、〈代理人には行為能力は要らない〉という点。

変ですよね。代理で行為するのは、代理人でした。

行為するんだから行為能力は必要でしょ?が筋です。

でも、102条に行為能力は要らないとワザワザ定めてあります。

(代理人の行為能力)
第百二条 代理人は、行為能力者であることを要しない

なぜ?

理屈を言うと、、代理では法律効果は本人に帰属するから(代理人は義務を負うことないから)、制限行為能力者の制度で代理人を保護する必要は無い。行為能力を必要として、行為能力ないときは行為を取り消せるとして保護する必要は無い。ってことですけど、、

単純に、本人が、制限行為能力者でも構わないと思って選任したんだからいいんじゃないの。でオッケイです。選んだ本人がリスクを負う、ということ。

比較の表を活用しよう!

こういう比較の表って、テキストにいくつも入ってますよね。活用しましょう!

比較の問題多いです。で、特殊なところを覚える。丸暗記ではなくて、そうだよなあ、と納得して覚える。
本人がそれでもいいっていうんだから、いいんじゃね?みたいに。

以上を前提に、「基本だけで解く!」でみていきましょう。

肢1、代理人&使者の地位は何に基づく?

代理人も使者もいろいろな契約に基づいています。

難しく考える必要なんかなくて、代理人は「必ず委任契約によらなければならない」??え?会社とかで雇用契約とかあるでしょ。でオッケイです。

「必ず」っていう表現には、??そうかな?と疑問を抱く習慣をつけて、いろいろあるでしょ。という感じで。

ということで、誤りです。

肢2、出ました、代理人の行為能力!!

出ましたね。特殊なところ。

〈代理人には行為能力は要らない〉でした。

「代理人は..行為能力を有することが必要」としている点で、誤りです。

肢3、代理&使者の意思表示の瑕疵は誰を基準に決める?

これは、基本から素直に導かれます。

っていうか、代理人の行為能力以外は、基本から素直に導き出せる結論です。

代理で行為するのは(意思表示するのは)代理人です。

使者で行為するのは(意思表示するのは)本人です。

意思表示の瑕疵は、行為する(意思表示する)人を基準に考えます。

つまり、

代理では代理人を基準に。

使者では本人を基準に。

ということで、正しいです。答えは3。

とても基本的な問題なので、この時点で次の問題に進んでしまってもよいと思いますけど、

私は、念の為に、全てを読んでいました。

ざっと、見ていきましょう。

肢4、代理人の権限逸脱

「それが有効となる余地はない」って..表見代理あるでしょ?

で、オッケイですね。

確認の為、ざっと、ですので。

肢5、無断で復代理の可否?

必ず出てくる細かい知識の肢

5個ある肢の中には、答えを出すのに必要のない、細かい知識の肢が必ず出てきます。

必ず出てくると思って、あ~出てきたぞ、知らないっ、でオッケイ。

深入りせず、考え込まず、でいきましょう。

一応、復代理については、やむを得ないときは、復代理もやむを得ないでしょ?って程度で覚えておけば十分です。

(正確には、法定代理人の場合、自分の責任で復代理人を選任出来てしまいます。”法定”で決められてしまって、責任重くて可哀想ということと、「あなたにやってもらいたいんだよ」と頼まれて引き受けた任意代理人のような、代理人の個性は関係ないからです。細かすぎますね。。)

(任意代理人による復代理人の選任)
第百四条 委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない

(法定代理人による復代理人の選任)
第百六条 法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。この場合において、やむを得ない事由があるときは、前条第一項の責任のみを負う。

まとめ

テキストの比較の表を活用しよう!

その際のポイント。

特殊なところを、納得して覚える。

比較の問題多いですからね。

今回は、以上です。

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